情報エレクトロニクスファンド 2007
今回は国内大型の投資信託、「情報エレクトロニクスファンド」のチャート・シミュレーション結果を見ていきます。他商品との比較は比較シミュレーション(国内大型株式)をご覧ください。
商品情報
投資戦略
ファンドの特徴
- 日本株式のうち、以下を投資対象とする
- エレクトロニクス関連企業:電気機器、精密機器等
- 情報通信関連企業:情報ソフトサービス、通信
- 原則、毎年 2 ⽉ 21 ⽇(休業⽇の場合は翌営業⽇)に分配を⾏ないます。
銘柄選定プロセス
- 上場株式を投資対象に選定
- 以下に留意して、分散投資
- 成長性
- 株式の市場性(割安等)

目論見書;https://www.nomura-am.co.jp/fund/pros_gen/Y1140012.pdf
投資対象 / コスト
冒頭記載したとおり、電気機器・情報通信業が大半を占めます。(最大比率は「任天堂」)
信託報酬は年率1.562%、販売手数料は2.2%です。
上位銘柄は以下のとおり

基準価額 / 純資産
基準価額、純資産は下図。

分析結果
では本題、成績を見ていきましょう。
図の見方ですが、運用会社のレポートで見られる「現在の価格を基準にした」収益ではありません。
ある月(横軸)からx年間(3ヶ月、6ヶ月、1年、3年、5年、10年)投資した場合の元本回収率(縦軸)を表しています。※販売手数料・信託報酬も加味
リーマンショック期(2006年10月-2009年10月)の3年間投資した場合はどうなっているか
⬇︎
3年収益図の2006年10月にあたる値を確認(ex. 70%の場合、その3年間で100万円が70万円程度になることを意味する)
1年収益 :1年投資した場合の収益率推移
1年収益は、最高収益約170%、最低収益約65%、直近で110%程度となっています。
同期間で比較シミュレーション(国内大型株式)と比較すると、ソフトバンク&SBIグループ株式ファンド(オレンジ線)に次ぐ最高収益となっているため、高い収益性が見込める商品であることがわかります。
分散投資の観点から、ソフトバンク関連に絞った上記ファンドや、業界特化型の当該商品はボラティリティが高くなる(収益性大であっても、マイナス幅も大きい)傾向にありますが、ソフトバンク&SBIグループ株式ファンドと比較するとボラティリティは小さく、下落幅は他商品と同程度となっているため、優良商品と言えるのではないでしょうか。


3年収益 :3年投資した場合の収益率推移
最高収益は210%、最低55%、直近120%。
1年収益と同様、他商品と比べ収益性は非常に高く、下落幅もある程度抑制しています。(ソフトバンク&SBIグループ株式ファンドとの差は拡大していますが)


5年収益 :5年投資した場合の収益率推移
最高収益250%、指定50%、直近130%。
5年でも同様の傾向です。直近130%は、時系列で見ると高くはないですが、他商品と比べると良い結果と言えるでしょう。
※気になる2000年付近は、他商品もすべて元本割れです。リーマンショック時に売却した場合に相当するので、この結果は仕方ないですね


10年収益 :10年投資した場合の収益率推移
最高収益250%、最低50%、直近225%。
10年投資で見ると、リーマン期の収益率が他商品よりも大きく見劣りします。高い収益率は魅力ですが、やはり下落幅への注意は必要と言えるでしょう。(リーマン期に元本割れしていない三菱UFJグローバルイノベーション「ニュートン」が相当優秀とも言えますが)


今回は国内大型の投資信託、「情報エレクトロニクスファンド」のチャート・シミュレーション結果を見てきました。他商品との比較は比較シミュレーション(国内大型株式)をご覧ください。
はじめまして。
2011年4月より情報エレクトロニクスファンドの運用を担当しております野村アセットマネジメントの福田泰之と申します。
分析の対象としていただき、ありがとうございます。
2000年のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックの時はまだ当ファンドの運用担当ではありませんでしたが、ご指摘の通り、ダウンサイド・プロテクションの重要性は認識しております。
細心かつ大胆に、受益者の方々の期待に沿えるよう、引き続き運用にあたる所存です。
初めまして、コメントありがとうございます。記事拝見しており、存じ上げております。勝手ながら「厳選銘柄https://toshinanalysis.com/selected-2007/」に取り上げさせて頂きましたが、特に(グラフ通り)近年の成績は素晴らしく、純資産も増加傾向で、非常に期待しております。
数値のみを中立的に発信することで、コスト・悪玉論に紛らわされず、素晴らしいアクティブファンドがあることを少しでも多くの人に知ってもらえれば、と思って活動しておりますので、今後も微力ながら分析・発信させて頂ければと思います。専門が多期間ポートフォリオ最適化であったことから、アセマネ業界とは現在も繋がりはありますので、今後どこかでご一緒できれば幸いです。