【全資産厳選】投資信託比較シミュレーション 202105
今回は、資産別の比較分析により優良銘柄として抽出された米国株・国内株・世界分散・新興国等の投資信託を横並びで比較していきたいと思います。各資産の期待元本回収率・変動を理解し、米国株・世界分散・国内株、それぞれにどの程度資産を配分するか(アセットアロケーション)等の参考にしていただければと思います。
比較方法
個別商品の分析と同様、ある月(横軸)からx年間(3年、5年、10年)投資した場合の元本回収率(縦軸)を比較していきます。※販売手数料・信託報酬も加味
個別商品だと棒グラフで示していましたが、10商品全て含めると視覚的に見えないため、折れ線グラフで比較していきます。
リーマンショック期(2006年10月-2009年10月)の3年間投資した場合はどうなっているか
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3年収益図の2006年10月にあたる値を確認(ex. 70%の場合、その3年間で100万円が70万円程度になることを意味する)
分析対象
以下の商品を分析していきます。厳選した根拠・個別詳細についてはリンク先をご確認ください。
比較結果
早速比較結果を見ていきます。
3年収益 :3年投資した場合の収益率の推移

- 国内小型株式:ハイリスク ✖︎ 超ハイリターン
DIAM新興市場日本株ファンドが多くの期間(特に2010年〜2015年投資開始)で最上位。次点は同じく国内小型株式の日本新興株オープンで、国内小型の最高値の高さが顕著。ただし、2003年〜2005年の元本回収率は最下位であり、想定通りハイリスクハイリターン商品と言えます。また、近年最上位に現れた厳選ジャパンは、DIAM新興市場日本株ファンドと同様の運用チーム(DIAM新興市場日本株ファンドは売れすぎて新規買付停止)であり、引き続きDIAMと同等以上の成績となっている点は素晴らしいの一言。今後に期待したいところ。
- 国内大型株式:ハイリスク ✖︎ ハイリターン
優良ファンド賞受賞の情報エレクトロニクスファンド、三菱UDJ日本成長株オープン「ブルーム」が対象。2010年〜2015年・近年は、国内小型ほどではないものの、他資産と比べてハイリターン。ただし、それ以外の期間では相対的に下位で推移する確率が高くなっています。(特に2005-2010年の下落幅は大)
- 米国大型株式:ミドルリスク ✖︎ ミドルリターン
為替ヘッジ有りの米国NASDAQオープンAコースは、2005-2010年投資開始で最上位ですが、元本回収率の変動が小さく、2010年-2012年では最下位。Bコースは、両方の期間で中位で推移しており、相対的にはミドルリターンミドルリスクと言えます。
- 世界分散:ミドルリスク ✖️ ミドルリターン
セゾン資産形成の達人、DCIグロース・健次が対象。健次は、2012年頃までは非常に優良ですが、2012年以降は低調。その他2つは、最下位期間はなく、中位程度の元本回収率。米国株式と同様、ミドルリスクミドルリターン。
- 新興国株式:ハイリスク ✖️ ハイリターン
特筆すべきは2003-2005年で、他資産が低調な中、高い元本回収率となっており、分散の観点からは良い結果となっています。ただし、2012年付近など、やはり下落幅の大きさも見られるため、想定通りハイリスクハイリターンと言えます。
5年収益 :5年投資した場合の収益率の推移

- 国内小型株式:ハイリスク ✖︎ 超ハイリターン
投資期間3年までと同様、DIAM新興市場日本株ファンドの高さが顕著。次点は同じく国内小型株式の日本新興株オープン。ただし、2002-2004年投資開始では最低値となっている点には注意。
- 国内大型株式:ハイリスク ✖︎ ハイリターン
優良ファンド賞受賞の情報エレクトロニクスファンド、三菱UDJ日本成長株オープン「ブルーム」が対象。投資期間3年までと同様、2008年までは低調。ハイリターンではありますが、国内小型ファンドと比べても下落幅が大きい期間も多く、ハイリスクであると言えます。
- 米国大型株式:ミドルリスク ✖︎ ミドルリターン
為替ヘッジ有りの米国NASDAQオープンAコースは、投資期間3年と同様、ローリターンだが変動は小。Bコースは最下位はなく、全期間を通して中位程度の元本回収率。
- 世界分散:ミドルリスク ✖️ ミドルリターン
セゾン資産形成の達人、DCIグロース・健次。健次は投資期間3年と同様に、2012年までは非常に高く、それ以降は低調。その他2つは、特段最下位期間もなく、かつある程度高い元本回収率。特にDCIグロースの近年の成績は高め。
- 新興国株式:ハイリスク ✖️ ハイリターン
投資期間3年と同様、2007年までは高い元本回収率。新生UTIファンドについては、2008-2009、2015年付近で最下位と、下落幅は大。
10年収益 :10年投資した場合の収益率の推移

- 国内小型株式:ハイリスク ✖︎ 超ハイリターン
投資期間3年-5年までと同様、DIAM新興市場日本株ファンド(薄灰)が最上位。日本新興株オープン(黄)は、DIAMを除き、ほぼ全期間で最上位。2003年以降という長期間で、これだけ最上位となっているのは素晴らしい結果と言えます。
- 国内大型株式:ハイリスク ✖︎ ハイリターン
2005年までの期間では、情報エレクトロニクスファンド(緑◆)・ブルーム(濃紺ー)共に他資産を下回っており、大型株であっても下落幅は大。それ以降は特に情報エレクトロニクスファンドが相対的に上位となっています。
- 米国大型株式:ミドルリスク ✖︎ ミドルリターン
ヘッジ有の米国NASDAQAコース(オレンジ■)は、上位→中位→中位で推移。元本割れはなく、大きな下落もないため、相対的にはローリスクローリターンとなっています。ただし、近年の元本回収率は高め。ヘッジ無しのBコース(青◆)は中位→上位→上位で推移。2003年投資開始までの成績は元本近くですが、それ以降は安定して上位となっており、さすが米国優良ファンドといったところでしょうか。
- 世界分散:ミドルリスクミドルリターン
健次は投資期間5年までは最下位となる期間が多かったですが、投資期間10年では中位〜上位で推移。ただし近年は下位。セゾン資産形成の達人ファンドも中位→下位で、共に近年の成績が下位であるのが難点。DCIグロースについては、近年中位程度で相対的には良好。また、比較対象にしたeMAXIS全世界株式インデックスは(短いですが)ほぼ全期間で最下位。
- 新興国株式:ハイリスクハイリターン
フィデリティアジア株ファンド(濃灰ー)は2003年までは他資産より高く、それ以降はほぼ最下位。明らかに他資産と収益動向は異なっていること・元本割れはなくなっていることから、分散投資の観点からは一定程度有効と言えるでしょう。新生UTIインドファンドについては、全期間で相対的には下位。
(縦軸調整)

以上、 厳選した投資信託のチャート・シミュレーション比較結果を見てきました。各資産の他銘柄については、各比較シミュレーションをご覧ください。